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2011.02.28

半身浴読書~147~

51dfo0oezll__sl500_aa300_ 61vsb0mk7bl__sl500_aa300_孤高の人(上))』 / 新田次郎、読了。

中学の頃初めて読んで、いたく感激し、どうしても古本屋に持って行けなかったこの本を再読した。

やはり、いい。

タイトル通り、たった一人で多くの山に登り『単独行の加藤文太郎』と言われた登山家の話だ。

加藤文太郎は、無口で笑顔の少ない人だ。しかもその笑顔は、相手に不快感を与える妙な笑顔だ。そのせいで他人に打ち解けることができない。

しかし、そもそも初めから孤独が好きだったわけではない。山歩きのきっかけを作ったのは、寮で同室だった新納友明だし、研修生時代には、それなりに友人もいた。

ただ、出会う人の中には、悪意を持った人いるし陥れようとする人もいる。加藤文太郎は、友人が会社を去っていくたび、「自分はひとりだ」という思いを強くするのだ。

そんな中、ずっと思い続けてた花子という伴侶を得て、加藤文太郎は大きく変わる。ただ山への想いを除いては・・・。

わたしは、加藤のストイックなまでの自己抑制が大好きだ。憧れであり尊敬している。自分で目標を決め、それに向かって努力する。よく考え、工夫し、行動する。他人の評価は関係ない。自分が立てた目標にどうやって到達するか、それこそが加藤の大問題なのだ。

『潔い』、そんな言葉がぴったりだ。

最後となった山行。何度も何度も引き返す機会はあったのに、ついにそうしなかった、できなかったのは、やはり運命なのか。読みながら何度も「引き返して」と願い続けたわたしだ。結末は分かっているにも関わらず。

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コメント

新田次郎さんの本を読んで、山登りをするようになり、小説の中に出てくる、実在の喫茶店、御茶ノ水の「穂高」でアルバイトもしました。
確か私も初めて読んだのが「孤高の人」だったように思います。神戸の六甲山を走るように上る練習から始めたんですよね。私も再読してみようかな。

投稿: Lisa | 2011.02.28 23:25

あのー…。本を読んでいませんが…

「自分で目標を決め、それに向かって努力する。よく考え、工夫し、行動する。他人の評価は関係ない。自分が立てた目標にどうやって到達するか、それこそが加藤の大問題なのだ。

『潔い』、そんな言葉がぴったりだ。」

     ↑
これ、オットにぴったりなのです!なんで、そこまでストイックに努力するのか、と。努力と研鑽を続けていないといられない性格、なんです。

「ストイックなまでの自己抑制」ばかりで、通俗なツマは、「何で?もっと、こうしたら和やかにすごせるのに」とばかり思い続けてきました。
本は、読んでいません。だけど、ととさんが表現する「加藤」という人、オットのような気がしてしょうがありません。すごい優秀で,誠実で、傷つきやすくて、でも不正やずるさは許せなくて、理に適った努力はどれだけでも続ける、そんなタイプなのです。
因みに、息子も…かも。最近、30代の頃にオットが言った台詞と同じことをメールで伝えてきたので、似たもの父子だな、と思っているところです。

投稿: 街中の案山子 | 2011.03.01 07:21

Lisaさん

山登りするようになったんですか!そりゃすごい。
でもそのくらい威力ある小説ですよね。うん。

わたしは学生時代、白馬の天狗山荘でバイトしました。今回再読して、天狗山荘が出てきたので「おっ」と思いました。

わたしも新田次郎の作品は、「孤高の人」を最初に読みました。そして、次に「八甲田山死の彷徨」を読みましたね~。ついつい連続して読みたくなっちゃう作家ですね。

投稿: とと(>Lisaさん) | 2011.03.01 20:37

街中の案山子さん

素敵な旦那様ですね~。羨ましいワ(またもこのセリフ)(笑)

>「何で?もっと、こうしたら和やかにすごせるのに」とばかり思い続けてきました。

あ~、わかる。でもご主人様には、自分とは違うモノに自分を合わせるほうがきっと苦しいのです。だから放っておきましょうhappy01

是非、読んでみてください。いい作品ですよ。

投稿: とと(>街中の案山子さん) | 2011.03.01 20:47

ととさん、「羨ましいワ」のバーゲンセールですね。笑
「孤高の人」って、余所見にはカッコいいかもしれないけれど、人付き合いが不得手で、自分の価値観を変えない、そのための孤立を恐れず、です。
小さいときから、その片鱗はあったのでしょう。母親が「『清水(せいすい)に魚棲まず』っていうものだよ」と、言われたそうで…。なんという親なんだとおもったらしい。売上げ第一の企業などには就職できなかったでしょうね。就職試験も受けたことない人ですけどね。

投稿: 街中の案山子 | 2011.03.01 21:55

街中の案山子さん

それでも、やっぱり素敵ですよ。そのストイックさをこちらに求められると辛いけど、そういう人がそばにいるだけで、わたしの背中がしゃんと伸びる気がします。

わたしはあまりにも自分に甘くて・・・coldsweats01

この作品の加藤文太郎もそうですが、街中の案山子さんちの「孤高の人」もたくさんの逸話があるのでしょうね。

投稿: とと(>街中の案山子さん) | 2011.03.02 22:35

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