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2011.01.25

既卒者の新卒扱いについて

近年の新卒者の内定率の低さは、確かに問題だと思う。若い人に職がないというのは、税収の面でも技術レベルの維持の面でも、さらに進めば治安の面でも大きな問題だと思う。

しかし、既卒者の新卒扱いには賛成しかねる。

こんな情報を宣伝すれば、学生は勘違いしてしまわないか?

『今年、希望していない企業に我慢して就職するより、来年、もう一回挑戦してみようか?』などと、思わないだろうか?

企業は、新卒者と既卒者をまったく同じように扱うと言うだろうし、実際、同じように選考するだろう。しかし、既卒者に対しての目線と、新卒者に対してのそれは全然違ってくる。面接での質問も、当然異なってくる。厳しい質問が浴びせられるのは当然だ。

もちろん、来年以降、劇的に景気が好転すれば話は別だ。しかし、そのときは、企業は中途採用にも意欲を見せる。別に、新卒扱いしてくれなくても転職は可能だ。

わたしは、就職の機会を後に延ばすことより、高卒での就職機会を増やす方がいいと思っている。

企業に対して既卒者を新卒扱いにすることを求めるより、高卒者をもっと採用するように求めたほうがいい。勉強が得意でなく好きでもないのに、なんとなく大学に進学し、その後の就職で立ち往生するより、実業高校に進学して、進路指導の先生にアドバイスをもらいながら職を得るほうが、絶対にお得だし賢い選択だということになれば、高卒レベルの大学生も少しは減ってくるんじゃないだろうか。

採用担当として3年やってみて感じたのは、学生たちの地元志向の強さだ。しかし、企業は少なくとも大卒者にはそれを求めていない。はっきり言えば、海外も含めどこにでも行ってくれる若い社員が欲しいのだ。

企業が求める人材は、大卒者と高卒者では自ずから違ってくる。給与を多く払う分、大卒者に求めるものは、高い。

さて、採用担当を外れて約4ヶ月が過ぎた。しかし、今も採用担当の仕事をしている私だ。明日は、地元女子大の学内セミナーに参加する。次の担当者と一緒に行って、どんなふうにするのかを教えておくために。

それにしても、自分の担当業務でないとなると、モチベーションは一気に下がるものだなぁと痛感。早く次の担当者に引き継いで、自分の本来業務を充実させたいと思っている。やりたいこと、やってみたいこともそろそろ見えてきたことだしね。

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コメント

「勉強が得意でなく好きでもないのに、なんとなく大学に進学し、その後の就職で立ち往生するより、実業高校に進学して、進路指導の先生にアドバイスをもらいながら職を得るほうが、絶対にお得だし賢い選択だということになれば、高卒レベルの大学生も少しは減ってくるんじゃないだろうか」
    ↑
私、一貫して、コレです。
アラカンの私世代は、大学進学率も低かったし、大学出の女性の職場も限られていました。田舎には職場もすくなかったのですが、地元の銀行も高卒で就職でした。学級委員などをするような子でも、高卒でしたから。昨今あまりにも大卒が多すぎて、かつての大卒のイメージとは別物のようにも思えます。
それにしても、私の育った県では、高校の3割は職業科でした。普通科から大学へ行く人には、見聞を広げる機会がこれからもあることだろうし、という主旨で修学旅行もありませんでした。
問題は、「ウチの子供は勉強が好きでないから、高卒で就職を」と親も判断できるかどうか、ですよね。日本という国が豊かになりましたから。

投稿: 街中の案山子 | 2011.01.26 07:11

日本の就職事情は良く判りませんが、以下は今朝私の「メーリングリスト」に入っていた便りです。この人の日本の友人達もカナダとの大きな違いに眼を見張ったようですが、何かの参考になるかと引用しました。気力の衰えている若者を今後鼓舞する必要もあるでしょう。
[・・前略・・この友人と何故こういう若者が増えて来たのか原因を探るやり取りをしていたところ、彼の仲間も加わってくれました。その
中の一人が私にカナダでは高学歴者の就職率は低いのかという
質問を受け、確実な数字は調べるが根本的に日本と違う点は、
毎年4月に新卒が一斉に企業に就職するというシステムはこち
らに存在しない、就職する為には自分の専門は何か、何が得意
か自分で売り込むのが基本の世界だとの説明に大きな波紋が広
がりました。又カナダの国家公務員には面白い制度があると紹
介しました。それは公務員になって途中でチャレンジしてみた
い仕事へ転職しても5年以内であれば復職が可能、転職した時
のポジション、給与その他そっくり保証されているという制度
です。例え失敗して戻っても新たな空気を吸い又経験した事が
公務員という仕事にプラスになるという考え方のようです。
長くなるので端折りますが、我々の結論は日本の産業界が自ら
に好都合な年一回の新卒採用という硬直した仕組みが、特にバ
ブル崩壊後急速にデフレ不況に陥り就職難が長期化ますます若
者の就職の機会と自由を結果的に奪っているのではというのが
今の所の結論です。・・後略・・]

投稿: serena | 2011.01.27 20:47

街中の案山子さん

親としては、大学へ進学して少しでも有利な職業人生を歩いて欲しいと思うのでしょうね。実業高校へ進学するには、中学のときに判断しなきゃいけなくて、そのころはまだ、親は夢を持っていますもんね。

しっかりしたお子さんの中には、「俺は勉強は嫌いだから工業高校に行く」と言える子もいるでしょうが、周囲に流される子の方が多いような気もします。

企業の方も、高卒にはあまり関心を示さず、最初の扱いが楽な大卒を欲しがる傾向があると思います。高卒者は、初めは子供で手がかかるけど、化けるときは大きく化けますから、見ていて楽しいのですけれど。

投稿: とと(>街中の案山子さん) | 2011.01.27 23:10

serenaさん

そうですね、同じ時期の新卒採用にこだわるのは、日本特有らしいですね。

確かに同じ時期にいろいろと見比べながら採用するのは、企業にとってメリットがあります。
でも、自分で売り込むのもなかなかしんどそう。

あるいは、そういうことをすることで、学生が少しずつ大人に変っていくのかもしれませんね。ある意味、卒業試験のような…。

投稿: とと(>serenaさん) | 2011.01.27 23:17

先日テレビで「得意な2教科だけの得点で入試ができる」としたところ、入試人口が増えたと喜んでいた私立大学をやってました。少子化時代は入試人口を増やすことだけでも利益につながると。。
思うに「得意な2教科だけで入学できたとしても、その後、どうすんだ?しかもゆとり教育世代なのに・・・。だから、社会人になっても小学校高学年の算数ができない子とかいるんだろうに」とおもいました。
でも、ひるがえって、自分の子供がもし、「残念」な子だったとして、「高校は職業高校に」とはなかなか言えないかもしれません。「くさっても大学に」って言っちゃうのかも。
それはその昔、私の母も、私たち姉妹に同じことをいってました。母は工業高専出身で(NHKのロボコンなどにでてくるアレです)、「もしうちにお金があったら、大学に行けたから、あんたたちには大学に行ってほしい」が口癖でした。
実は、もう10年ぐらい前になりますが、結婚直後に働いた職場の上司(60才まじかの母と同じ世代の女性)とお話ししていて、その上司の息子さんがとある進学校だったのですが、「その高校は前身が工業高専だったんですね」って私が指摘したら、
「あなた、工業高専なんていつの時代?あんな中途半端なシステム、もう日本でなくなっているでしょ?」と失礼なことをいわれました(息子さんが馬鹿にされたようで気に食わなかったのかもしれませんが)。
その県では、私立の進学校の前身が工業高専だったパターンがいくつかあり、すでに県内には1つも工業高専は残ってませんでした。首都圏ではそれが現実なんだろうなとおもったし、たしかに今でも工業高専でも、優秀な子は、5年の卒業後に、大学の3年生に編入するシステムもありますしね。

もうひとつ、旦那の上司に「大学のモラトリアムな時代を遊んで過ごしていない、高卒になんか、営業ができるわけがない。ちっちゃい人間が多い」という口癖の人がいたのですが、昔のバブリーなころは、その考えも間違いじゃなかったのかもしれませんが、いまや、モラトリアムな時代は何にも役に立たない時代になってるのになーと私は思います。こういう上司みたいな人、意外と多いのかもしれませんね。

投稿: ちゃい | 2011.01.30 16:46

ちゃいさん

自分の子供を大学に行かせたいと思うのは、親としては当然かもしれませんね。「高校で化けるかも…」という淡い期待を持つ親の気持ち、良くわかります。
一方で教師や親が、今の就職の現実を知らないという面もあり、的確な進路指導ができていないのかもしれません。
また、企業の方も高卒より大卒を欲しがる傾向があって、そうなると、大卒で就職に苦労している現実を知っても、高卒で就職という選択肢にリスクを感じるのも無理はないです。
だからこそ、企業に既卒者の新卒扱いを求めるより、高卒者の採用枠を拡大してほしいなと思うんですよね。

>「大学のモラトリアムな時代を遊んで過ごしていない、高卒になんか、営業ができるわけがない。ちっちゃい人間が多い」

うちの会社は逆なんですよね。
確かに有能な大卒者もいるけど、案外、高卒の子の方が一生懸命に取り組むので、営業数字が上がることが多いです。大卒者の中には、やけにプライドばかり高くて、ちょっと壁にぶつかるとメンタルをやられてしまう…なんて場合も多くて。

>こういう上司みたいな人、意外と多いのかもしれませんね。

ええ。同感です。
うちのボスもおバカな課長も、来年は高卒者の採用枠を大きく削るつもりでいます。
早めにデータを集めて反論しなくっちゃと思っています。

投稿: とと(>ちゃいさん) | 2011.01.30 21:29

街中の案山子さんのおっしゃる
>問題は、「ウチの子供は勉強が好きでないから、高卒で就職を」と親も判断できるかどうか、ですよね。

できません(即答かよ!!)
というか、勉強が好きじゃない長女、なぜか今「大学へ行く」と言っています。彼女の希望する職業が短大卒以上でないとかなり難しいからです。入試の前2週間からいきなり勉強始めました。
あと、中学生くらいだと、本人もまだ目ざめていない子も結構多くて、高校でのやり方によっては変わるケースもあるんですね。私の教え子でそういう子を数名見てきました。

うちの県の高専は優秀な子しか入れませんよ。また、実業系の学校の子が勉強してることってすごいなと思います。幼馴染が工業高校に行ったので、工業数学の教科書を見せてもらったらさっぱり分かりませんでした。

投稿: ことなりままっち | 2011.02.04 14:58

ことなりままっちさん

>できません(即答かよ!!)

それでいいと思いますよ。
だって、それを決めるのは親じゃないですもん。

あくまでも子供自身が「職業高校に行く。卒業したら働く」と決めることが重要だと思っています。

職業高校に行くのは、『勉強が好きじゃない』という動機もあるかもしれませんが、『早く社会に出たい、自立したい』という動機もあり、わたしは、その方が重要だと思います。

お嬢様が、将来就きたい職業を決めて進路を決めたのなら、それは素晴らしいことだと思います。
結果が楽しみですね。

投稿: とと(>ことなりままっちさん) | 2011.02.05 22:51

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