半身浴読書~124~
『照柿』 / 高村薫,読了.
『マークスの山』(半身浴読書~121~)に続き,再度,読み直しました.
この作品は,15年前に読んだときとは違う印象を持った.
当時感じたのは,殺人が起きるときの不穏な空気だ.加害者となる男の不運な偶然の積み重なりが,精神的にも肉体的にも男を追い詰め,やがて,明確な殺意も意思もないまま殺人を犯す状況がすごくリアルで,きっと現実に起こっている事件も,こういうたくさんの不運と不穏な空気から発生するんじゃないかと思った.
今回ももちろん,それは感じた.
けれど,もっと感じたのは,<男と女>だ.
夫を愛してはいないだろうに,その夫に執着する美しい妻,その女に一目ぼれをして自分の職さえも危うくする刑事,女の昔の恋人である殺人を犯す男.
男達の嫉妬.女の執着.
マークスの山で登場した合田刑事の話だが,これは刑事モノの作品ではなくて,恋愛モノの作品だ.
共感はないけど,でも,こういう男女の関わり方もあるのか・・・と思いながら読んだ.面白かった.
物語の最後,合田と森は本庁を離れる.その後の物語が是非読みたい.
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