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2008.01.06

働いた方が得か?働かない方が得か?

街中の案山子さんの記事『扶養控除,配偶者控除がなくなる・・・・.』を読んで知った.

へぇ~,民主党はそういう案を出してたんだ.

103万の壁のために,思い切って働けないという女性は確かにいるだろうが,それがなくなっても壁は残る.

そもそも配偶者控除なんてごく僅かで,そのくらいの税負担ならしっかり働くことでカバーできる.

実質大きいのは,社会保険料と健康保険料の負担だ.

年収にこだわらずに仕事しようと思うと,勤務時間も日数も増え,そうすると夫の健康保険には入れない.

なぜなら,健康保険の加入者についての条件は次のようになっているから.

  • 1日又は1週間の勤務時間が、その会社で働いている一般の社員(従業員)の勤務時間の概ね4分の3以上であること。
  • 1ヶ月の所定勤務日数が、その会社で働いている一般の社員(従業員)の概ね4分の3以上であること。

例えば,社員の労働時間が8時間/日とすると,週休二日の場合週の労働時間は40時間.もしパートさんが週に30時間働くなら,健康保険に加入しなければならない.そして年金については,第3号ではなくなる.

週に30時間というと,週休2日の場合一日6時間勤務である.

もし,時給が800円とすると(エリアや仕事によっても大きく違うが),一日4,800円.月に22日働くとして,月給は105,600円.年間1,267,200円となる計算だ.

その場合,健康保険と厚生年金の保険料は,だいたい12,000円から13,000円といったところだろうか.(加入する健康保険組合や,厚生年金基金への加入の有無で異なる)

これは,もし社保に加入しなければ支払うことのない金額であり,それが毎月引かれると,やはり負担感は大きいと思う.いくら103万円の壁を取っ払っても,その次の壁はやはりあるのだ.

もうひとつの壁は,6時間の壁だ

社保に加入し,毎月の保険料を払っても充分メリットのある賃金を得るためには,長時間の労働が必要だ.

しかし普通の主婦が,家族のケアをしながら働くには6時間がぎりぎりだろう.6時間勤務といえば,例えば9時~16時(休憩1時間)である.

この時間でなら,働ける主婦は多い.夫の理解も得やすいし,家事も可能.子どもたちの塾の送迎もできるし,子どもが高学年なら「おかえり」と言って迎えてやることもできるかもしれない.

それが8時間労働となると,話が違ってくる.9時からの勤務で,終業は18時.結構きつい時間だ.家族の協力なしでは,難しい.

社会保険料を払いながら充分な収入を得るための労働時間を確保する.このバランスで主婦は悩んでいる.

家族の協力を得ながら(家族に負担をかけながら)しっかり働く方が得か,それとも,そこそこの小遣いを稼ぎつつ夫の扶養に入って家族のケアに努めるほうが得か.

まぁ,金銭的な損得だけでは計れないものもあるのだけれど.

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女の生き方」カテゴリの記事

コメント

この問題で今までもすっごく悩んだし、これからも子育てとのバランスを考えて、悩むんだろうなあと漠然とおもっています。今までは新卒後、扶養に入ったことはなかったのですが、去年はじめて扶養に入って、これほどおいしいことはないと、実感してしまったので。
また、ある雑誌に「フルタイムの女性で年金で一番得なのは、24年11ヶ月働いて、その後、主人の扶養に入るのが一番プラスになる」という記事を読んでしまって、ああ、やっぱりそうなのかあ、とおもった自分がいます。

投稿: ちゃい | 2008.01.08 00:33

ととさん、ちゃいさん、今の制度では「養ってもらう妻」優遇かも知れませんが、きっと近い将来、稼働年齢の男も女も、同じ扱いになるのでは、と思います。
事情があって働けないのであれば、その子供やお年寄りに対して給付すればいいとおもうのです。
所得の少なさに対しての配慮は、累進課税の制度や基礎控除の拡大で解消できるし、男性の長時間労働を支えるために、専業主婦、腰掛け仕事主婦の温存という方向は、社会で活躍したい女性陣に、足かせのようなものを感じます。
邸宅にお住まいの専業主婦の方に、「お仕事、いつも大変ですね」って、ねぎらわれると、心の中に、またか、と一瞬の間ができて、「いえ、仕事、好きですから・・・」と笑顔で返しました。
損得よりも、社会人でいることの楽しさを知った女性たちは、きっと後戻りしないと思いますよ。
いかがでしょう?

投稿: 街中の案山子 | 2008.01.08 12:49

街中の案山子様、私もずーっとフルタイムでしたので、「配偶者控除なんて」という考えは以前からありましたし、今もなくなってもいいと思う派ではあります。ただ、それとは別に、ととさんのおっしゃるとおり、子供がいると他に「壁」の要素があるのも事実です。

長女出産後、復職したとき、社内第1号の時短を申請しましたが、ころころと上司が変り、引継ぎはされず、「なぜ定時前に帰るのか?」という説明(承認された事実)を何度もし、加えて同僚は残業は当たり前の世界。我が夫もそうですが、30代で残業しない正社員っていうのが日本にはいないようで。。。看護休暇も当時初めて導入されましたが、これも説明に苦労しました。上司は陰口で「子供が病気のたびに休まれると困るんだよ」と同僚に酒の席とはいえ、いいふらされる始末。それを管理するはずの管理職なのに。。。です。でも、これ、まだ日本の会社ではフツーに行われている事だとおもいます。
そして次女を出産し、わかったことが。子供1人の時にはなんとかなったことが、2人になると更に倍。病気はうつしあうのに、看護休暇(年5日、無給扱い)が2倍に増えるわけもなく。夫が子供や私の病気で休んでくれた事は一度もありません。愚痴ばかりですが、こういう人はまだまだいっぱいいるようで、世の男性の理解は愚か、夫からも理解されない状態でした。mixiの掲示板にも「離婚or退職」という話題があったときには「わかるわかる」と思ってしまった自分もいます。祖父母の助けがなければ、子供2人でフルタイムは難しいと思い、周りからも「もういいじゃん。パートになったら?」という視線を浴びていました。

ここまでは愚痴ですが、ここからは前向きな考えもあります。やはり、フルタイムでノー残業でもどんなに早く帰ろうと、18時に家に着くのがやっと。週末に食材を用意しておき、朝にも用意してあったとはいえ、食べさせて、片付けてお風呂に入って。。。とやっていたら、どんなに早くとも21時就寝がやっとでした。精神的にも体力的にも辛かったです。これで、残業なんてした時には、子供の寝る時間が更におそくなってしまう。世間には「小学校の壁」という言葉がありますが、小学校に入ると、宿題や忘れ物をみてあげなくてはならないということもあります。また、私が今度引っ越してきた地域は、朝も帰りも防犯上集団登下校が義務付けられており、保護者の付き添い当番も廻ってきます。学童に通っていても例外はありません。物騒な世の中だからかもしれません。また、小学生以上がいる先輩ママ友達は習い事を週に2,3回通わせているのが通常で、送迎を考えるとフルタイムでは不可能。フルタイムだと高額料金を払ってベビーシッターによる送迎という人もいるぐらいです。

社会人でいることの楽しさはわかります。ただ、子育ての楽しさもわかる。特に子供が小さいうちは。願わくば、子供が小学校高学年ぐらいになるまでは、パートで、それからフルタイムに復帰できる世の中があればなあと、自分の都合で考えてしまいます。今の世の中ではそれはまだ難しいと思います。

昨日の日経新聞の記事にもこれに似たようなことが載っていて、「子育てや介護で働くペースを落とさざるを得ない社員を見守り、再挑戦の機会を与える事が、パート待遇改善の本質」とありました。フルタイムで働くパートを正社員に転換する企業の例が載っていたのですが、「打診してもためらうパートも多い」とありました。

この「ためらい」が、世の中にはまだまだあるんじゃないのかなあとおもいます。

私は、パートに年度途中で転換したために、去年は扶養に入ることになったのですが、なんとまあ、はいったとたんに夫が転勤させられた事実を考えると、「会社と言うところはそういうところ」と思わざるを得ないです。ちなみに夫の同僚で、一緒に転勤になった人は、奥さんがパートか専業主婦で、フルタイムの同じ会社に奥さんがいた人は、労働組合が反対してくれて、転勤を免れました。同じ会社ならそういう処遇もあったのでしょう。私は友達(女)がフルタイムが多いので、夫が転勤の内示を受け、単身赴任しているうちに離婚という結果を招いた家族もみていますし、離婚とまではいかなくとも、疎遠になっている家族もいたし、子供がいないことを理由に、どんどん転勤させられていた女性も見ました(夫婦で別居になってしまっていて、子供なんてつくれる状況になかった)。更に自分の父親が単身赴任だったこともあって、私は単身赴任を選ばなかったのですが、これから働く女性が増えて、どちらかが、転勤になったとき、はたして、夫婦や家族ってなんだろう?どういう形なんだろう?と悩んじゃうんじゃないか、だったら、女性は本当に男性とおなじ待遇で転勤もあって、それでも大丈夫なんだろうか?と、自分の転居や、周囲の転勤させられた女性たちを見て思いました。

今の世の中のままでは、こういう状況が、女性に「ためらい」をうんでいるのだと思います。おもいっきり働いてみたい、でも。。。と。祖父母のようないざというときに子供をみてくれるような助けになる人が近くにいない状況では当分難しいと思います。

私の引越してきた自治体は、ファミリーサポートに登録したところ、依頼会員登録は1000人越え、なのに協力会員は100人もいませんでした。いまだに協力してくれる人がみつかりません。これが現実なんだろうと思います。

投稿: ちゃい | 2008.01.09 22:51

ちゃいさん、丁寧なコメント読ませていただきました。
配偶者控除がなくなるのと並行して、子育て加給が加わる、という発想、そのことに触れられていなかったようなので、どう思われますか。今までは、子供一人に付き38万円の控除、但し、若い世帯、収入の少ない世帯への恩恵が少ないから、直接子供一人当たり○円、という風に支給する、という仕組みを民主党が提案しているということです。
夫婦で派遣とかパートなどの場合は、そもそも税金はほとんど支払っていないから、所得控除がいくら大きくても恩恵に浴せられないけれど、子供の頭数で支給されれば、生活は助かるのではないでしょうか。
勿論、労働基準監督署がきちんと機能を果たして、サービス残業等もなくなるべきだと思っています。

投稿: 街中の案山子 | 2008.01.10 15:51

街中の案山子様、丁寧なコメントというよりも、個人的な不満の爆発の長いコメントですいませんでした。
確かに配偶者控除がなくなり、更に、子育て加算が加わる事には、個人的には賛成です。しかし、それで「じゃあ働こう(もしくはもっと働こう)」と思うかどうかは、やはり、謎だなあ?と思います。理由は、上記コメントの通りです。

ととさんがおっしゃる
>社会保険料を払いながら充分な収入を得るための労働時間を確保する.このバランスで主婦は悩んでいる.

ということでしょうか。

もちろん今は過渡期だと思いますし、良い方向に行けばなあと願う一方で、ワークライフバランス指針(平均5割の年次有給休暇消化率→完全取得や、週60時間越えの雇用者が10%→5%へなどの数値目標)に、経団連がおもいっきり反対した事実などを考えると、まだまだ無理なんじゃないか?と思ったりもします。本当に実現したときこそ、女性も男性も、自分の思うように理想どおり働けるようになるんじゃないかと。いつのことでしょう?家族という形が犠牲(別居とか、単身赴任とか、擬似母子家庭とか)にならないで、実現できればいいなと思います。

投稿: ちゃい | 2008.01.10 23:31

>街中の案山子さん、ちゃいさん

コメントありがとうございます。
なかなか時間が取れなくて、コメントを書き入れることができませんでした。でも、そんな中、こうして「うんうん」とうなづきながら読むコメントを入れてもらえるなんて、わたしって幸せ者です。(ウルウル)

記事には、社会保険の扶養に入るかどうかの収入の壁と家族のケアをするための時間の壁を書きましたが、実はもうひとつ要素があって、それが街中の案山子さんの言われる『社会人でいることの楽しさを知った女性たちは、きっと後戻りしないと思いますよ』ということなんだと思います。

ただ、自分の喜びのために家族のケアを怠っていいのか、とりわけ子どもへの負担が大きくなる現実に目をそむけていいのか、という葛藤があります。

収入の問題、時間の問題、そして自分の生きがい・・・その3つの要素をうまくバランスしていくことができるかどうか。
バランスさせるのではなく、どこかに集中させるのか。
女性の生き方が、家族の生き方まで決めてしまうような気がします。

でも、外で働くのって刺激的なのよねぇ~。

投稿: とと | 2008.01.11 21:39

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