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2006.08.05

半身浴読書~56~

016615940000 『エイジ』 / 重松清,読了.

中学2年の男の子,エイジの話.
部活や恋愛や友情の他に,通り魔事件が引き起こす複雑な感情を丁寧に書いてある.

でもね,わからないことをわからないままに書くのってしんどいなぁ~と思った.

普通は,わからないことをわかっているかのように(もしくは,ほんとにわかって)書く.『わからない』と登場人物に言わせるのは,『わかる』ことを説明するためだ.それが,この本では『わからない』がわからないままで進行して行く.だから読んでるこっちもわかんなくなって,途中で中弛みしちゃうのだ.

その中で私を楽しませてくれたのが,ツカちゃんだ.

ツカちゃんは,いい!ツカちゃんと一緒にいるときのエイジもいい.こういう子って近くにいるとイヤかもしれないけど,離れて観察するとすごく頼もしく可能性を感じられる.

エイジは男の子で,私は男の子の経験がないので,『あ~,わかる』っていうのがない.でも,行動基準のかなり優先順位の高いところに『かっこ悪いことはしない』というのが位置づけられているのは,なんとなくわかる.なんてたって中学生だもんね.そこを突き抜けるところに大人の領域があると私は思うのだが.

エイジの『日帰り家出』には,受験期のたいへんだった頃のおねえがかぶる.そうやって,自分なりの精一杯の”キレる”も,ある時期必要なことなのかもしれない.この本を読んで,ちょっとだけそう思えた.

この話の中心部分には,通り魔になってしまった少年への『なぜ?』や,少年と自分との違いは『なに?』がある.そういえば最近読んだ『殺人の門』 / 東野圭吾(参照エントリー:半身浴読書~55~)も,殺人へ至る動機への疑問が中心だった.

やはり,胸の奥のもやもやした感情が犯罪という一線を越えてしまう理由は,そう簡単にはわからない.

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