家でテレビ~13~
うちのおとんは,鉄工所で永年働いてきた技術者である.
60歳になったとき,ともに働いてきた社長に,「あと5年,働いてくれ.そしたら俺も,息子に社長を譲る.それまで一緒にやろう」と言われ,65歳まで働くことにした.
65歳になり,体力的にもきつくなってきてそろそろ辞めようと思ったら,新社長になった息子に「僕を助けてください」と言われ,1年限りの条件で,再び働くことにした.
1年が経った.しかし,昔のおとんと社長のような関係が,新社長と若い工員の間にできない.またも新社長に慰留され,もう1年おとんは働いた.
体は年々衰えてくる.若手はなかなか育たない.
おとんは思わず,若い子たちに言ったそうだ.
「おまえらがいつまでたってもそんなだから,俺はこの年になっても仕事が辞められんじゃないか!」
労苦をいとわず体を動かし,『後で・・・』はない覚悟で,今,真剣に学ぶ.額に汗して習得する技術は,人の金を動かして秒単位で儲けるのに勝るとも劣らない尊いものなのです.
機械油の匂いがすると,おとんの作業着を思い出して懐かしくなってくる.技術の基本は,『手』なんだと改めて思った私です.
~報道ステーション『2007年問題』を見て~
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